悲しみは育み、よろこびは咲かせるもの

ふと、そんな言葉が浮かんだ。

土の中にある根や微生物のように、目に見えないものを育てるのは、いつも絶望や悲しみのような気がする。

それは肥料のようなものだ。
肥料には、排泄物や、役に立たないとされるものが含まれている。
決して清潔とは言えず、どちらかといえば敬遠されがちなものたち。

でも、土にとっては、それがなければ花も木々も育たない。

同じように、人の心もまた、絶望や悲しみという肥料によって深く耕され、
やがてその根から、大きなよろこびという名の花が咲くのかもしれない。

悲しみは、ただ辛いだけのものじゃない。
それは、咲くために必要な「見えない力」だ。